お世話になります ユタカ硝子(株) 裕生です
今回は、網入り硝子の種類と本来の性能についてです
ワイヤーが入っている硝子は防犯性があると思っていませんか?
実は全然違います!!!
え〜〜!?って方結構いるんじゃないですか!?
実は防火設備用 硝子なんです!!
延焼の恐れのある所に使用されて火災際 飛散しないようにワイヤーが入っています
それでは 防火性、飛散防止効果のある網入りガラスの特徴やメリット、デメリットについてご説明します。
網入りガラスとは製造時に金網を入れたガラスのことで、防火性、飛散防止効果があり、端的には「熱で割れても飛散しないガラス」となります。
種類としては、国内メーカー品で、菱形ワイヤー、クロスワイヤーの2種類があります。
防火ガラスとして、火災時に延焼の恐れのある部分、主に建物の開口部に使用されます。
また、透明の網入りガラスが磨きワイヤーと呼ばれるのは、製造時にガラス表面を磨くことで透明にしているためです。
その分価格的にも透明の網入りガラスの方が高くなります。
菱形ワイヤーの型板(霞:かすみ)、磨き(クリア)
クロスワイヤーの型板(霞:かすみ)、磨き(クリア)
50mmピッチで平行に金属が入った線入りガラス(霞:かすみ)、磨き(クリア)
なお、線入りガラスは防煙垂れ壁によく使用されることはありますが、一般的に防火ガラスとしては使用できません。
ガラス屋さんの豆知識『防煙垂れ壁(ぼうえんたれかべ)』とは?
火災時に煙が天井をつたって拡大するのを防ぐために、天井からおよそ50㎝垂れ下がっている壁のこと。
延べ床面積が500㎡を超える特殊建造物は排煙設備が必要になり、建物500㎡以内に防煙壁(不燃材で作られた壁。もしくは防煙垂れ壁=天井より50㎝以内に突き出たもの)で区画しなければならない。
この防煙垂れ壁も不燃材であれば良いのだが、安全面で線入りガラスを使用されることが多い。
法律的な話をすると・・・
建築基準法施工令第109条の2に定める技術的基準に適合する防火設備の構造方法は次に定めるものとする。
例示仕様(国土交通大臣が定めた構造方法を用いてつくられたもの)に適合していることが防火性能を担保する証明
って感じです
網入りガラスのメリットとデメリットについてご説明します。
メリットとしては、上記にも記載した通り、『防火性』『飛散防止性』に優れていることです。
火災時、火災や火の粉の侵入を防ぎ延焼を抑えるので、建築基準法に規定される延焼の恐れのある部分、開口部に使用されます。
『熱が割れても飛散しないガラス』が特長です。
デメリットは2つ『網入りガラスは熱割れが起きやすい』と『強度が強いわけではなく、防犯性能は無い』
デメリットとしては、『網入りガラスは熱割れが起きやすい』と『強度が強いわけではなく、防犯性能は無い』というこです。
網入りガラスは熱割れが起きやすい
金網がガラスより温度が上昇しやすく、熱膨張率もガラスと異なるので、熱割れが起きやすくなります。
また、網入りガラスにフィルムを貼ることでガラスに熱が溜まり熱割れする可能性が高くなります。
断熱フィルムや黒い色のフィルムは特に割れやすくなるのでご注意ください。
特に注意すべき点は…
1.ストーブ、コンロなどにより、綱入・線入ガラスが局部的に加熱されるとヒビ割れが生じやすくなるので、網入りガラスからは離すようにして下さい
2.日光が強くあたり、厚いカーテン、ブラインド、家具などが室内側のガラスに密着しているとヒビ割れが生じやすくなるので注意して下さい
強度が強いわけではなく、防犯性能は無い
金網がガラスの中に入っているので、普通のガラスより強度があると思われがちですが、普通のガラスと同じくらいの強度しかありません(感覚的にはむしろ弱いくらいだと思います)。
そのため、防犯には向いていないので防犯用合わせガラスというのがありますので、そちらをおすすめします。
どうですか? 色々難しい所もあったかもしれませんが 網入り硝子は防犯ではなく防火硝子と言う事です!
次回は防犯ガラスについて お話します!!
最後まで読んで頂き 有難うございました〜
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